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平成28年度 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業廃炉加速化プログラム 選定課題

■廃炉加速化プログラム: 合計3課題

■国内研究:合計4課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマ1 燃料デブリ取出しに関する研究
1 廃炉作業ロボット向け耐放射線組み込みシステムの開発
渡邊 実
[静岡大学]
東北大学 本研究ではこの光再構成型ゲートアレイの基盤技術を活用し、耐放射線・廃炉作業ロボット向けに、強放射線環境下であっても重いシールド材を用いることなく正常に動作でき、100 Mrad以上のトータルドーズ耐性を有する組み込みシステムを実現する。
テーマ2 廃棄物を含めた環境対策に関する研究
2 ロボット制御技術を用いた廃棄物中放射性核種分析の自動前処理システムの開発
大澤 崇人
[日本原子力研究開発機構]
東京工業大学 福島第一原子力発電所の廃止措置においては、通常の原子炉の場合とは比較にならないほど膨大な放射性廃棄物で発生が予想される。こうした大量の廃棄物の処理に必要な分析試料数も必然的に膨大であり、こうした事態に対応するためには分析及びその前処理の自動化は必須である。本研究ではこれまで培ったロボット制御技術や画像認識技術を駆使することで、廃棄物分析の前処理を自動化するシステムを開発する。
3 汚染コンクリートの解体およびそこから生じる廃棄物の合理的処理・処分の検討
小崎 完
[北海道大学]
日本原子力研究開発機構、福井大学 福島第一原子力発電所のコンクリート材料を対象とし、事故時温度分布解析に基づき、模擬変質コンクリート試料の調製及びそれを用いた特性評価、拡散・収着試験を実施することで、コンクリート材料の汚染分布の経時変化の現象理解を図る。得られた汚染分布から放射性コンクリート廃棄物のレベル区分および物量等の将来予測を行い、コンクリート材料に対する最適な解体、処理・処分方法を明らかにする手法を確立する。
4 廃棄物長期保管容器内に発生する可燃性ガスの濃度低減技術に関する研究開発
高瀬 和之
[長岡技術科学大学]
宇都宮大学、アドバンエンジ(株)、ダイハツ工業(株)、関西学院大学、日本原子力研究開発機構 廃棄物長期保管容器内に発生する可燃性ガスの水素爆発を予防することを目的として、容器内に設置する水素再結合触媒を使って水素濃度を低減できることを実験的に確認する。また、構築する触媒反応モデル及び自然対流モデルによって、廃棄物保管容器内の水素挙動を予測できることを明らかにする。最終的に実機保管容器の可燃性ガス安全に係わる条件を明示する。

■日米原子力共同研究:1課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
1 ヨウ素の化学状態に基づく廃炉及びDOEサイトの修復に向けた廃棄物安定化処理法の開発
大貫 敏彦
[東京工業大学]
東京工業大学
九州大学
テキサスA&M大学
サバンナリバー国立研究所
複数の化学状態で存在する放射性ヨウ素を対象核種として、米国、テキサス工科大学などと協力して、福島における処理済み廃棄物中の放射性ヨウ素の化学状態を明らかにするとともに、ヨウ素の化学状態を考慮して高度な吸着材及び固化体を開発する。

■日英原子力共同研究;2課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマ1 燃料デブリ取出しに関する研究
1 燃料デブリ取り出し戦略の構築:リスク管理と物理シミュレーョンの融合
山口 彰
[東京大学]
インペリアルカレッジロンドン 燃料デブリの取り出しにおいて、気中工法に注目した場合に必要な技術開発要素となる、(1)デブリ切断時の切り粉飛散現象のマルチフィジックスシミュレーションに関する研究と、(2)リスク評価に関する研究を実施する。マルチフィジックスシミュレーション結果に基づいてリスク評価を行い、燃料デブリを長期管理しつつ気中取り出し方法の問題点克服方法を提案することを目的とする。
テーマ2 廃棄物を含めた環境対策に関する研究
2 汚染水処理で発生する合成ゼオライトとチタン酸塩のセメント固化体の核種封じ込め性能の理解とモデル化およびその処分システムの提案
佐藤 努
[北海道大学]
シェフィールド大学 ジオポリマーを固化材に用いた既存の固化技術を基に、核種閉じ込め性等を評価する特性評価試験や、長期変質過程を予測するための長期挙動評価試験を行い、長期挙動の理解に必須となる熱力学モデル、さらにはそれらを考慮したピット処分システムの構築を行い、使用済みゼオライトやチタン酸塩の安全な貯蔵・処分方法を提案する。