英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 > 研究分野の紹介 > 令和4年度 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 国際協力型廃炉研究プログラム 選定課題

令和4年度 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 国際協力型廃炉研究プログラム 選定課題

■国際協力型廃炉研究プログラム

■日英原子力共同研究:2課題
No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマ 先進廃炉科学研究
1 耐放射線プロセッサを用いた組み込みシステムの開発 渡邊 実
[岡山大学]
神戸市立工業高等専門学校、Lancaster University 本研究では(1)集積回路に光技術を導入し、10 MGyのトータルドーズ(TID)耐性を持つ耐放射線光電子プロセッサ、(2)既存の集積回路のみで4MGy のTID 耐性を実現する耐放射線プロセッサ、(3)同4MGyのTID 耐性を持つ耐放射線メモリ、そして、それらに必要となる(4)1MGyのTID 耐性を持つ耐放射線電源ユニットの4つを開発する。イギリスチームは中性子線とγ線の計測が可能な放射線センサとロボットの空間位置を正確に特定できるLiDARを実装した耐放射線ロボットを開発する。日本チームはイギリスチームのロボットシステムに対して耐放射線プロセッサ、耐放射線メモリ、耐放射線FPGA、耐放射線電源ユニットを含む耐放射線組み込みシステムを提供し、連携して開発を進める。また、イギリス側のLiDAR の耐放射線化の研究に対して耐放射線光学技術を提供し、連携して開発を進める。日英双方の技術を組み合わせることで、LiDAR により正確な位置の特定が可能で、かつ、放射線の種類(γ線、中性子線等)、強さを計測できる小型軽量耐放射線ロボットを実現する。
2 マイクロ・ナノテクノロジーを利用したアルファ微粒子の溶解・凝集分散に及ぼすナノ界面現象の探求 塚原 剛彦
[東京工業大学]
早稲田大学、日本原子力研究開発機構、University College London 安全で合理的な燃料デブリ取出しを進めるためには 、燃料デブリの溶解や変性挙動の把握は不可欠である。バルク試料を用いて溶解や変性について 様々な研究が行われているが、デブリ加工時に発生するアルファ微粒子の挙動は未解明の状況にある。申請者らはこれまで、マイクロデバイスを用いたアルファ核種の高速・高効率な分離分析や燃料ペレットからの溶出ウランのリアルタイム計測等を実現し、その過程で、金属酸化物ナノ粒子をH2O2に接触させると瞬時に架橋ゲル化することを見出してきた。本申請では、気相・液相に存在する アルファ微粒子のナノ表面・界面では特異な反応が顕在化し、排水系や排気系に想定外の悪影響を与える恐れがあることに鑑み、様々な溶液環境下にてコロイド微粒子(アルファ微粒子・エアロゾル の凝集、溶解、変性挙動を観測及び分析しうるマイクロ・ナノ デバイスを創出すると共に、それら反応のナノ効果を熱力学的かつ速度論的に解明する。さらに、数理科学的手法と組み合わせ、微粒子の変質、分散、沈着過程のモデル化の実現を目指す。