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令和元年度(平成31年度) 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 国際協力型廃炉研究プログラム 選定課題

■国際協力型廃炉研究プログラム:合計4課題

■日露原子力共同研究:2課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマR 先進廃炉科学研究
1 燃料デブリ取出し臨界安全技術の高度化 小原 徹
[東京工業大学]
東京都市大学、ロシア国立原子力研究大学 燃料デブリ取出し作業時の再臨界防止は廃炉作業における安全確保を考える上で重要である。燃料デブリは形状・組成が様々な状態になっていると推定され、さらに取出し作業時に燃料デブリを砕くことによる水との割合の変化、作業時万一水中に落下させた場合の挙動等複雑な状況が考えられ、再臨界防止策を確実なものとするためには、これら複雑な状況下での燃料デブリの臨界性評価を精度よく行う必要がある。そのため、臨界解析に高度な知識と経験を有する日露の専門家が協力し、燃料デブリ取出し作業時の安全確保に資する燃料デブリ再臨界可能性の評価を高度化することを目的とする。
2 微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究 金井 昭夫
[慶應義塾大学]
理化学研究所、日本原子力研究開発機構、カザン大学 高放射能環境でも一部の微生物は繁殖する。また、高放射能に繰り返し曝されることにより、放射能耐性を獲得する。福島第一原子力発電所(1F)事故では、定常的に微生物を含んだ地下水が流れ込んでおり、その内部に微生物群集が形作られている可能性が高い。このことから、1F敷地内外の地下水や放射能汚染水のメタゲノム解析により、それらの微生物群集の実態(生物種の群集構造と発現遺伝子プロファイル)を明らかにする。微生物群集の代謝反応経路を推定することにより、微生物生態系の原子炉内構造物に対する影響を調べ、微生物により燃料デブリや構造材(コンクリート、鉄材など)の腐食・変性が促進される可能性を検討する。それらを基に、微生物群集の制御に関する指針を提案するとともに、定常的な生物環境モニタリングのための拠点形成を進める。

■日英原子力共同研究:2課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
テーマE 先進廃炉科学研究
1 高い流動性および陰イオン核種保持性を有するアルカリ刺激材料の探索と様々な放射性廃棄物の安全で効果的な固化 佐藤 努
[北海道大学]
アドバンエンジ株式会社、日本原子力研究開発機構、シェフィールド大学 福島第一原子力発電所内には、様々な放射性核種を含む多様な性状の放射性廃棄物が保管されている。特に使用済みの吸着材は放射能が高く、可及的速やかに安定な形にして保管する必要がある。しかし、保管方法の設計では水素ガスの発生抑制だけでなく、処分の安全性も見据えた形での性能が要求される。そこで、放射性廃棄物の中でも鉄沈殿物を検討対象とし、安全な保管と処分を可能とする高い陰イオン核種保持性や流動性のアルカリ刺激材料とそのレシピを探索する。また、実廃棄物の1/10スケール程度のパイロットサイズ試験体の試作と評価を行い、実プラントとして成立する固化体製作装置の概念を提案する。さらには、最新の鉄沈殿物インベントリー情報に基づき、提案する固化体を浅地ピット処分した際の安全評価を行い、多様な性状や核種組成を有する廃棄物固化に対するアルカリ刺激材料のポテンシャルを示す。
2 再臨界前の中性子線増に即応可能な耐放射線FPGAシステムの開発 渡邊 実
[静岡大学]
神戸市立工業高等専門学校、ランカスター大学 集積回路技術に光技術を導入し、1Gradのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線光電子FPGA (Field Programmable Gate Array)と光技術を用いずに既存の集積回路技術のみで200Mradのトータルドーズ耐性を実現する耐放射線リペアラブルFPGAの2つの開発を行う。日本側は耐放射線FPGAとハードウエア・アクセラレーションの面でイギリス側を支援する。イギリス側は日本の支援を受け、強ガンマ線環境下で使用でき、再臨界前の中性子線増を瞬時に検知可能なFPGAを用いた中性子線モニタリングシステムを実現する。この中性子線モニタリングシステムを日本側の耐放射線FPGAと組み合わせ、再臨界前の中性子線増に即応できる耐放射線FPGAシステムの実現を目指す。