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平成30年度 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 課題解決型廃炉研究プログラム 選定課題

■課題解決型廃炉研究プログラム: 合計6課題

No. 提案課題名 研究代表者
[所属機関]
参画機関 概要
1 合金相を含む燃料デブリの安定性評価のための基盤研究 桐島 陽
[東北大学]
日本原子力研究開発機構、京都大学 福島第一原発炉内にて、SUS配管や圧力容器等の構造材と溶融した燃料や被覆管成分が高温で反応して形成された合金相を含む燃料デブリに着目し、UO2-SUS系やUO2-Zr(ZrO2)-SUS系の模擬デブリを高温熱処理により合成し、水中への溶出挙動を測定するとともに、模擬デブリの酸化物相および合金相の経年変化を分光学的に分析する研究・開発を行う。
2 ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法 谷森 達
[京都大学]
株式会社京都Space Gamma、日本原子力研究開発機構 電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)は、前段にガスを用いて電子の3次元飛跡を測定することにより、従来型のコンプトンカメラの分解能を大幅に向上する技術として、これまで医療用として開発を進めて来た。本研究では、医療用に開発したETCCをもとに、現場での操作性を重視した軽量ETCCを試作し、フィールド試験により実用性を評価する。
3 燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発 鈴木 俊一
[東京大学]
産業技術総合研究所、日本原子力研究開発機構 福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し時の放射性微粒子閉じ込めを着実に行うため、気相及び液相における微粒子の挙動を把握するとともに、飛散防止対策として①水スプレー等を活用し、極力少量の水で飛散を抑制する方法、②燃料デブリを固めて取り出すことで飛散を抑制する方法について実験及びシミュレーションによる評価、開発を行う。
4 アルファダストの検出を目指した超高位置分解能イメージング装置の開発 黒澤 俊介
[東北大学]
三菱電機株式会社、日本原子力研究開発機構 デブリ取り出し時に発生するαダストの挙動解明をめざし、アルファ線を新規シンチレータで可視光に変え、レンズとSi-半導体カメラ(CMOS カメラ)による超高解像度(10μm以下)イメージングと、スペクトルのアンフォールディングによる核種判別を可能とするシステムを試作し、日本原子力研究開発機構のPu燃(ダストサンプラー)で実証試験を実施する。CMOSカメラの感度が高い発光波長をもち、かつ高発光のシンチレータとして、提案者らが昨年特許出願したCs2HfI6結晶等の高純度化が鍵となる。
5 ナノ粒子を用いた透明遮へい材の開発研究 渡邉 隆行
[九州大学]
株式会社三幸、株式会社RSC、合同会社NUCLTECH 燃料デブリ取り出しや分析における作業員の被ばく低減や遠隔カメラの光学系・電子系の劣化低減を目的として、遮へい材料をナノ粒子化してエポキシ樹脂に分散・固化することにより透明な遮へい体を開発する。B4CやWをナノ粒子化して中性子とガンマ線を同時に遮へいし、中性子から生じる二次ガンマ線も抑制する遮へい体を開発する。
6 先端計測技術の融合で実現する高耐放射線燃料デブリセンサーの研究開発 萩原 雅之
[高エネルギー加速器研究機構]
物質・材料研究機構、海上・港湾・航空技術研究所 冠水した燃料デブリの分布状況及び臨界性を「その場」で測定・分析することを目的として、小型(200μm×5~10μm厚)のダイヤモンド中性子センサーと、回路設計により耐放射線性を向上した集積回路を開発して中性子計測システムを構築し、マルチフェイズドアレイ・ソナーや表層下部音波探査装置(SBP)とともに、ROV(日英共研で開発)に設置し、PCV模擬水槽で実証試験を行う。