中間・事後評価結果

英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 > 中間、事後評価結果 > 平成20年度採択課題事後評価の結果資料1 > DNA二重鎖切断の認識・修復の初期過程に関する研究

原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ
若手原子力研究プログラム 事後評価総合所見

研究開発課題名(研究機関名):DNA二重鎖切断の認識・修復の初期過程に関する研究
代表研究者(研究機関名):松本 義久(国立大学法人東京工業大学)
研究期間及び予算額: 平成20年度 〜平成21年度(2年計画) 19,722千円
平成20年度 9,724千円
平成21年度 9,998千円
項目 要約
1.研究開発の概要 癌放射線治療の向上を目指して、DNA二重鎖切断に対する生体防御機構、特に、放射線被ばく後極めて早期(数分以内)に起こる損傷認識、修復複合体形成機構を解明する。
2.総合評価
 評価:A
  • 若手研究者の斬新なアイディアに基づいた基礎・基盤的研究が推進されており、DNA-PK によるXRCC4のC 末端側の複数の部位におけるリン酸化がDNA 二重鎖切断修復に重要であること、XRCC4 のDNA 二重鎖切断部位への動員機構を具体的に検証したことなど優れた業績が挙げられている。
  • リン酸化の意義に関して、アポトーシス現象との相関性を検証していく上では細胞の選択も重要であり、そのためにがん細胞のDNA修復のみならず正常細胞をも研究対象とし、DNA損傷への一般的アプローチへと研究を進めており、今後の進展が大いに期待される。
  • 得られた多くの新しい知見は、新領域の創成や放射線感受性の予測・制御につながり、将来創薬標的として具体化される可能性があることから、応用展開も期待できる。
  • 一般的なDNA 二重鎖切断修復機構として、低線量域(〜数Gy)でも成立するかどうかを確認する必要がある。
S)特に優れた業績が挙げられている
A)優れた業績が挙げられている
B)想定された業績が挙げられている
C)想定された業績が一部挙げられていない
D)業績がほとんど挙げられていない
3.その他
  • 基礎生命化学として高く評価できる。応用への展開にも期待している。
  • S評価にすべきだとの一部意見もあったが、総合的にA評価とした。

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